骨と筋肉に心が届くようになるかも
著者は物理学と解剖学を学んだ体育大学の先生である。
人の動きを物理学と解剖学を組み合わせて解説している。
下枝・体幹・上肢の解説に続き、
スポーツの力学、ストレッチの方法に移る。
この中で、おそらくこの先生でないと書けなかったであろう
記述の数々に遭遇することができる。
今まで無意識に動かしていた関節や筋肉に、
意識的に意味づけを行うことで、更なる運動能力の向上に役立つだろう。
「解剖学」とあるが、著者によるまえがきを読めば、
この本の対象は医学生ではなく、
スポーツと人の体に興味のある人たち一般であることがわかる。
特に自らのスポーツなどにおける体の動きを見直したい方たちにお勧めできる。
人間本位の解剖学書
通常の解剖学の本は非常に詳細な記述があるものの、人体を解剖しただ
けの本が多く、基礎的な知識以外では運動や身体技能の用となるものは
非常に少ない。
が、この本は「何故この運動でこの効果があるか?」が非常に詳細且つ
分かり易く記載されている。身体操作法に興味がある私には最高の参考
書となった。
胴体力なるものを提唱し身体技能の世界では後世に残る革命を起こした
飛龍会創始者の故・伊藤昇師がよく使用していた、という逸話が頷ける
納得の一冊です。
動きを考慮したトレーニングを考える上で参考になります
絵で書かれている内容が多く、視覚的に理解することができる本だと思います.骨や関節、筋、バイオメカニクスといった解剖学や運動学、力学などの運動に関する基礎的な知識がまとめられています.ページ数などをみていただければある程度想像できると思いますが、確かにこの一冊だけでは専門家が必要な解剖学や運動学の知識としては不十分だと思います.より詳しい専門書も必要になると思います. しかし何らかの資格を有する専門家の方以外のスポーツ愛好家や選手、専門家であってもこの分野の勉強が苦手な方や学生の方にはお薦めします.理解しやすいですし、何よりスポーツの動作を考慮したトレーニングを考える上で必要な知識が書かれていて、参考になると思います. よくスポーツ・トレーニングの本と称してウェイト器具を利用したレジスタンス・トレーニングの方法しか書かれていない、あまり個別性や特異性の原則を活かせないような本をみかけることがありますが、この本はそのようなものとは異なり、動きを考慮したスポーツのためのトレーニングを考える上で大きなヒントを与えてくれると思います.評価は星4つですが、知識が豊富な専門家以外の方であれば入門書としては星5つでもよいと思われます.トレーニング指導に関わる方にはぜひお薦めします.逆に言えばこのような知識は指導者には知っておいてほしいと思います.
大修館書店
目でみる筋力トレーニングの解剖学―ひと目でわかる強化部位と筋名 美しいボディラインをつくる女性の筋力トレーニング解剖学 イラストでわかるストレッチングマニュアル 身体運動の機能解剖 柔軟性トレーニング―その理論と実践
|